風雲気象衛星
中国の風雲気象衛星シリーズは1988年に始まり、天気予報、台風警戒、気候監視を支えています。極軌道衛星は全球を走査し、静止衛星は同じ地域を連続観測することで、互いを補完します。

基本情報
- 運用主体
- 中国気象局/国家衛星気象センター、SAST主導で開発
- 運用開始
- 1988年(風雲1号A)
- 用途
- 荒天監視と予報に用いる雲、雨、風、大気の観測
海上にある台風が曲がったのか、発達しているのか、弱まったのか。予報官が判断する材料の一つが、中国の気象衛星「風雲(Fengyun)」が繰り返し撮影する雲画像です。
風雲衛星は1、2、3、4の各シリーズからなり、雲、雨、風、雷を24時間体制で観測しています。異なる軌道の衛星が役割を分担することで、同じ地域の連続監視と地球全体の観測を両立しています。

なぜ地球を回る衛星と、空に止まって見える衛星があるのか
風雲1号・3号など奇数番号のシリーズは、主に低高度の極軌道を使います。風雲2号・4号など偶数番号のシリーズは静止軌道から同じ地域を連続して見守ります。
赤道上空約3万6,000kmでは、衛星の公転周期を地球の自転と一致させられるため、地上からは同じ方向に止まって見えます。一方、極軌道衛星は地球を南北方向に周回し、地球の自転と組み合わせて通過ごとに異なる地域を走査します。
1988年9月、長征4Aロケットが中国初の極軌道気象衛星風雲1号Aを打ち上げました。システムは中国気象局が運用し、複数の宇宙関連機関が開発に参加しています。
台風や豪雨をどう追跡するのか
風雲2号・4号は雲画像を短い間隔で更新し、嵐の回転や移動を連続して捉えます。風雲3号は、全球の気温・湿度、海洋、陸域に関するデータを集めます。2016年打ち上げの風雲4号Aには、中国初の静止軌道雷観測装置が搭載されました。
2023年打ち上げの風雲3号Gは、中国初の低傾斜角軌道を使う降水観測衛星です。雨雲へ電波を送り、戻ってくる信号を測ることで、雨が雲の中でどの高さにどれだけ存在するかを立体的に調べます。

スマートフォンの天気予報にも使われるのか
使われます。気象機関は風雲衛星だけでなく、各国の衛星、気象レーダー、地上観測所のデータを数値予報モデルへ取り込みます。画面に表示される小さな天気アイコンの背後では、多数の観測機器と計算モデルが働いています。
風雲は世界気象機関(WMO)の全球運用衛星システムを構成する衛星群の一つです。共有されるデータは、台風、豪雨、火災、水蒸気分布の監視や、各国の天気予報に利用されています。
知っていますか
- 奇数番号は主に全球を走査し、偶数番号は静止軌道から同じ地域を見守ります。
- 風雲の略称はFYで、FY-1A、FY-4Bのように表します。
- 気象画像からは雲だけでなく、海面水温、黄砂や砂塵、積雪、火災も調べられます。


