高分衛星
中国の高分シリーズは、2013年の高分1号打ち上げ以来、国土調査、農業、災害対応へ詳細な地球観測データを提供しています。機種ごとに高解像度光学、レーダー、立体撮影を使い、地表の細部や地形を測ります。

基本情報
- 運用主体
- 中国国家国防科技工業局が主導
- 運用開始
- 2013年(高分1号)
- 用途
- 国土管理、農業、緊急対応、地図作成のための高解像度観測
高度数百kmの衛星から、地上をどこまで詳しく見られるのでしょうか。中国の「高分(Gaofen)」は高解像度を意味しますが、目指したのは画像の細かさだけではありません。より頻繁に、より多くの波長で観測し、地球の変化を立体的に捉えるシステムです。
中国の高分解能地球観測システムは2010年に始まり、高分1号が2013年に打ち上げられました。2022年には、宇宙から観測するシステム部分の完成が発表されています。

高解像度とは、写真が鮮明なことだけなのか
違います。高分1号は比較的細かな地上分解能と、広い観測幅を両立しています。2014年打ち上げの高分2号は、白黒のパンクロマチック画像で1m級、複数波長を捉えるマルチスペクトル画像で4m級の分解能を備えます。
空間分解能は、画像の1画素が地上のどれほどの範囲に当たるかを示します。数値が小さいほど細部を見分けやすくなりますが、一度に見られる幅、同じ場所を再び観測するまでの時間、観測する波長帯も同じく重要です。
2019年打ち上げの高分7号は地形を二つの角度から撮影し、立体地図を作ります。高分4号は静止軌道から広い範囲を監視し、高分6号は高分1号と連携して同じ地域をより頻繁に観測します。
農業や災害救助に役立つのか
マルチスペクトル画像は作物の状態の違いを見分け、収穫量の推定や干ばつ・洪水被害の評価に役立ちます。都市計画では道路や開発の変化を追跡し、災害時には発生前後の画像を比べて被害範囲を把握できます。
2020年に四川省西昌市で起きた森林火災では、高分1号、2号、4号、6号が、煙、燃えている区域、延焼後の跡を異なる視点と時点から観測しました。

衛星から個人を識別できるのか
一般公開される民生用の地球観測画像は、顔の識別よりも道路、建物、農地などを調べる用途に向いています。雲、撮影角度、空間分解能にも制約があります。空中に浮かべたスマートフォンのカメラというより、広い範囲を比較する高精細な地図に近いものです。
知っていますか
高分は、異なる軌道と観測装置をもつ複数衛星の総称です。2022年12月9日にシステム完成が発表されました。取得したデータは、国土調査、農業、地図作成、環境監視、防災・減災などに使われています。


