宇宙探査

メノイティオス:相棒であって脇役ではない

Menoetiusは木星L5トロヤ群でPatroclusと対をなす直径約104kmの天体です。「衛星」と呼ばれることもありますが、相手と大きさが近く、二天体は互いの外側にある共通重心を回るため、連星小惑星と考える方が実態に近い系です。Lucyは2033年に両方を一度のフライバイで観測します。

接近観測前の地上観測に基づく想像図で、実際に撮影された表面ではありません
接近観測前の地上観測に基づく想像図で、実際に撮影された表面ではありません
画像クレジット: NASA/SwRI Lucy Mission · Source terms · 画像の出典を見る ↗

基本情報

英語名
Menoetius
大きさ
約104km
連星の相手
Patroclus

Menoetiusは通常Patroclusの伴星と紹介されますが、小さな脇役ではありません。二天体は大きさが近く、互いの運動へ強く影響します。一方を主天体と呼んでも、物理的に圧倒的な差があるという意味ではありません。

なぜ両方を調べる?

二天体はほぼ同じ宇宙環境を共有します。色、クレーター分布、形を比べれば、共通の起源を持つ特徴と、別々の衝突や表面進化で生じた違いを見分けられます。

Menoetius、Patroclus、接近するLucy探査機の想像図。近接撮影した写真ではない
Menoetius、Patroclus、接近するLucy探査機の想像図。近接撮影した写真ではない
画像クレジット: NASA's Goddard Space Flight Center/Conceptual Image Lab/Adriana Gutierrez · Public domain · 画像の出典を見る ↗

潮汐固定は自転しないという意味?

いいえ。同期回転では、自転周期と互いを回る公転周期が一致し、同じ面を向け続けることがあります。向かい合った二人が互いの周りを回れば、顔を向け続けていても身体自体は回転します。この系の周期は4日余りで、長期間の重力相互作用を記録しています。

低密度から何が分かる?

相互軌道から系全体の質量を制約し、体積と組み合わせて密度を求めます。低い値は氷や内部空隙の存在を示すかもしれません。ただし異なる内部構造が似た密度を生むため、一つの数値だけで全体が氷だとは証明できません。

想像図が地形図になる日は?

Lucyは2033年に訪れる予定です。現在の表紙は想像を助ける図で、確認済みの地形ではありません。接近観測によって、表の中の数値だった天体が、歴史を読み解ける表面を持つ世界へ変わります。

参考資料