人工衛星

アマチュア無線衛星

アマチュア無線衛星は、地上の無線愛好家同士の信号を中継し、教育や技術実験にも使われます。最初のOSCAR 1は1961年に米国から打ち上げられ、その後は世界各地の無線団体や研究チームが衛星を開発してきました。

衛星を追跡 ↗
打ち上げ前試験中のAO-51(AMSAT Echo)
打ち上げ前試験中のAO-51(AMSAT Echo)
画像クレジット: VE4NSA · CC BY-SA 3.0 · 画像の出典を見る ↗

基本情報

運用主体
AMSATを含む世界各地のアマチュア無線団体
運用開始
1961年
用途
アマチュア無線向けの衛星中継通信と宇宙実験

開けた場所でアンテナを空へ向ければ、携帯回線やインターネットを使わず、数千km離れた相手と交信できることがあります。宇宙を飛ぶアマチュア無線衛星が、電波を中継してくれるからです。

こうした衛星の多くは無線クラブや大学によって開発され、アマチュア無線帯の中継器を搭載しています。必要な資格を持つ無線家は、認められた周波数で衛星通信を楽しめます。

OSCAR 1から始まった

世界初の人工衛星からわずか4年後の1961年12月12日、米国のアマチュア無線家が開発に参加したOSCAR 1が打ち上げられました。OSCARは「Orbiting Satellite Carrying Amateur Radio(アマチュア無線を載せた周回衛星)」の略です。1969年に設立されたAMSATが活動を受け継ぎ、その後は世界各地の愛好家や学生も衛星開発に加わりました。

何に使うの?

FMレピーターは、ある周波数帯で受信した音声を別の周波数帯で送り返す「空の中継局」です。衛星が空に見えている時間は数分しかないことも多く、短い交信を次々とつなぎます。

リニアトランスポンダーは一定幅の周波数帯をまとめて中継し、SSB音声やモールス通信などに使われます。国際宇宙ステーションにもアマチュア無線設備があり、時期によってレピーター運用や特別な交信イベントが行われます。

打ち上げ前の試験を受けるAO-51(AMSAT Echo)
打ち上げ前の試験を受けるAO-51(AMSAT Echo)
画像クレジット: VE4NSA · CC BY-SA 3.0 · 画像の出典を見る ↗

誰でも試せる?

送信するには、まず居住地域の電波法規を学び、必要な無線資格と許可を取得します。デュアルバンド無線機と手持ちの八木アンテナでも始められますが、送信ボタンを押すだけでは交信できません。

衛星が近づき、やがて遠ざかると、救急車のサイレンの音程が変わるのと同じドップラー効果で受信周波数がずれます。衛星の動きを追いながらアンテナを向け、周波数も調整する必要があります。

三脚に載せた八木アンテナで衛星通過を追うアマチュア無線家。Michael Styne、CC BY-SA 2.0
三脚に載せた八木アンテナで衛星通過を追うアマチュア無線家。Michael Styne、CC BY-SA 2.0
画像クレジット: Michael Styne · CC BY-SA 2.0 · 画像の出典を見る ↗

受信だけなら?

地域の法規で認められていれば、送信より受信のほうが気軽に始められます。通過時刻を調べ、空の開けた場所でテレメトリーやレピーター交信を受信してみましょう。必要な許可を得るまでは送信してはいけません。

1974年打ち上げのOSCAR 7は、1981年にバッテリー故障で沈黙しましたが、2002年、太陽光が当たる間だけ再び動作していることが発見されました。静止軌道のQO-100はヨーロッパ、アフリカ、アジアの広い範囲をカバーし、数分で通り過ぎる低軌道衛星とはまったく異なる交信体験を提供します。

QO-100を搭載したEs’hail-2を打ち上げるFalcon 9
QO-100を搭載したEs’hail-2を打ち上げるFalcon 9
画像クレジット: Official SpaceX Photos · CC0 · 画像の出典を見る ↗

参考資料