天王星はなぜ横倒しで自転するのか?
太陽から7番目の天王星は、自転軸が約98度傾き、横倒しのような姿勢で公転する淡い青緑色の巨大氷惑星です。大気では惑星として最低の約−224℃が測定されています。接近探査はVoyager 2の1986年の一度だけで、将来の周回探査が検討されています。

基本情報
- 直径
- 約5万1,118km(地球の約4倍)
- 太陽からの距離
- 約29億km(19AU)
- 公転周期
- 約84年
天王星は、淡い青緑色の球が横倒しになって太陽を回っているような惑星です。太陽から7番目にあり、直径は約5万1,118 kmで地球の約4倍。太陽から平均29億km離れ、84地球年で一周するため、一つの季節が20年以上続きます。
横倒しになった惑星
自転軸は約98°傾いています。太陽系の初期に巨大な天体が衝突した結果かもしれません。この傾きのため、極域では何十年も日が照り続けたり、反対に暗闇が続いたりする極端な季節が生まれます。環と衛星の軌道も、同じように横倒しの向きへ並んでいます。
巨大氷惑星の内部
天王星と海王星は、木星や土星とは性質の異なる巨大氷惑星です。外側の大気は水素とヘリウムが中心で、約2%含まれるメタンが赤い光を吸収し、青緑色に見せています。
固い地表はありません。その下には水、アンモニア、メタンに富む高温・高密度の層があり、岩石と金属からなる核を包んでいると考えられています。天王星が内部から放出する熱は、ほかの巨大惑星に比べて異常に少なく、その理由は今も大きな謎です。

なぜ青緑色なのか
大気中のメタンが太陽光から赤い成分を吸収し、青と緑を多く残すためです。この色は海や固い地面の存在を示すものではありません。自然色では一般に淡く見えますが、赤外線など目に見えない波長へ色を割り当てた画像では、雲や嵐を見やすくするため色が強調されます。
太陽系で最も冷たい惑星大気
対流圏界面の温度は約−224°C、49 Kまで下がることがあり、太陽からさらに遠い海王星よりも低温です。内部から届く熱が少ないことが、理由の一つかもしれません。可視光では静かな球に見えても、赤外線では雲や嵐、極域の構造が浮かび上がります。
ただ一度の訪問――1986年
1986年1月24日、Voyager 2は雲頂から約8万1,500 km上空を通過しました。数千枚の画像を送り、10個の衛星と2本の環を発見。大きく傾いた磁場を測り、Mirandaの複雑な地形も撮影しました。それ以来、天王星を訪れた探査機はありません。


なぜ再訪するのか
内部の熱が少ない理由、奇妙に傾いた磁場、衛星の地下海の可能性など、基本的なことさえ十分に分かっていません。2022年の米国惑星科学・宇宙生物学10年計画は、「天王星周回機・大気探査機」を旗艦ミッションの最優先候補に挙げました。ただし、現時点で打ち上げが承認された計画ではなく、予算や開発日程は今後決まります。


