宇宙探査

ハウメア:高速自転で引き伸ばされた天体

カイパーベルトの準惑星ハウメアは、約3.9時間という非常に速い自転で三軸楕円体に引き伸ばされています。細い環と2個の衛星を持ち、表面は結晶質の水氷に覆われています。名称はハワイ神話の出産と豊穣の女神に由来します。

赤道方向と極方向から見た、三軸楕円体をなすハウメアの形状
赤道方向と極方向から見た、三軸楕円体をなすハウメアの形状
画像クレジット: Kwamikagami · CC BY-SA 3.0 · 画像の出典を見る ↗

基本情報

長軸方向の直径
約2,322km
太陽からの距離
約43AU
公転周期
約284年

ハウメアは、勢いよく回した生地が引き伸ばされるように、4時間足らずの高速自転で細長い形になっています。このカイパーベルトの準惑星は、約284年かけて太陽を一周し、細い環と二つの衛星を持ちます。

驚くほど速い自転

明るさの周期変化から、自転周期は約3.9時間と分かります。この大きさの天体としては異例の速さです。最長軸は約2,300kmで、最短軸のおよそ2倍。昼と夜はそれぞれ約2時間しか続かないことになります。

形と内部

2017年の恒星掩蔽から、およその三軸は2,322 × 1,704 × 1,138kmと測定されました。ハウメアは準惑星として認定されていますが、正確な大きさ、密度、重力と自転が釣り合う平衡状態にあるかどうかは、現在も研究対象です。

なぜばらばらにならない?

自転が赤道付近の物質を外向きへ引く一方、重力が天体をまとめています。その結果、完全に分裂せず細長く変形します。約1.9g/cm³という密度から、全体が氷だけでできた球ではなく、密度の高い岩石質内部を比較的薄い氷の外層が覆うと考えられます。

赤道方向と極方向から見た、三軸で細長いハウメアの形
赤道方向と極方向から見た、三軸で細長いハウメアの形
画像クレジット: Kwamikagami · CC BY-SA 3.0 · 画像の出典を見る ↗

環と二つの衛星

同じ2017年の恒星掩蔽で、半径約2,287kmの位置に幅約70kmの淡い環が見つかりました。海王星以遠天体で初めて確認された環です。外側を回る大きな衛星ヒイアカは直径約310km、内側のナマカは約170kmです。

ハウメアの環と、ナマカおよびヒイアカの軌道
ハウメアの環と、ナマカおよびヒイアカの軌道
加工元: Tomruen · CC BY-SA 4.0 · 画像の出典を見る ↗

ハワイ神話の女神

Mike Brownのチームは2004年にこの天体を発見し、José Luis Ortizのチームも2003年の観測を報告したため、発見者をめぐる論争が起きました。2008年9月、正式命名と準惑星としての認定が行われました。

Haumeaは、子どもたちを自らの身体から生み出したハワイ神話の出産と豊穣の女神です。この天体から生じたと考えられる衛星や破片にふさわしい由来で、二衛星にも女神の娘たちの名が付いています。

明るい結晶質の氷

約0.8という高い反射率とスペクトルから、表面に結晶質の水氷が豊富だと分かります。宇宙放射線は時間とともに氷の結晶構造を乱すはずなので、結晶質の氷が残ることは、表面を更新する何らかの仕組みがある可能性を示します。その仕組みはまだ確定しておらず、暗く赤い領域も新たな謎です。

衝突で生まれた天体族

太古の巨大衝突が、高速自転、細長い形、衛星、環、氷の表面をまとめて説明するかもしれません。飛び出した破片は関連する軌道を回る天体族となり、特徴的な結晶質水氷のスペクトルを共有しています。共通の起源を示す有力な証拠ですが、形成過程の細部は今も調べられています。

ハウメア、二つの衛星、天体族候補の相対的な大きさ。一部のサイズ推定は、凡例に示す仮定反射率に依存する
ハウメア、二つの衛星、天体族候補の相対的な大きさ。一部のサイズ推定は、凡例に示す仮定反射率に依存する
加工元: LunaTheSilly · CC0 · 画像の出典を見る ↗

参考資料