人工衛星

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)

ハッブル宇宙望遠鏡はNASAとESAが共同運用する宇宙望遠鏡で、1990年の打ち上げ以来、大気の影響を受けずに星、銀河、遠方宇宙を観測しています。宇宙飛行士による5回の保守ミッションで修理と機器更新が行われ、長期にわたり科学成果を生み続けています。

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暗い小衛星の発見にも貢献したハッブル宇宙望遠鏡。クエタを間近で撮影した画像ではありません
暗い小衛星の発見にも貢献したハッブル宇宙望遠鏡。クエタを間近で撮影した画像ではありません
画像クレジット: NASA · Public domain · 画像の出典を見る ↗

基本情報

運用主体
NASA/宇宙望遠鏡科学研究所/ESA
運用開始
1990年
用途
恒星、銀河、宇宙進化を研究する紫外線・可視光・近赤外線天文学

スクールバスほどの大きさの望遠鏡は、宇宙から何を見られるのでしょうか。Hubble宇宙望遠鏡は30年以上にわたり、生まれつつある星、はるかな銀河、変化する木星の嵐を人類へ見せてきました。

NASAとESAが共同開発し、天文学者Edwin Hubbleにちなんで命名されました。1990年4月24日、スペースシャトルDiscoveryで打ち上げられ、現在は地上約483kmの地球低軌道を回っています。

地球の曲面を背景に、金色の断熱材で覆われた本体と太陽電池パネルを見せる軌道上のHubble
地球の曲面を背景に、金色の断熱材で覆われた本体と太陽電池パネルを見せる軌道上のHubble
画像クレジット: NASA · Public domain · 画像の出典を見る ↗

なぜ宇宙へ置くのか

地球の大気は揺らぎによって星の光をまたたかせ、紫外線や赤外線の一部を遮ります。大気の上なら雲に妨げられず、より鮮明で安定した画像を得られます。

直径2.4mの主鏡で紫外線、可視光、近赤外線を集めます。NASA Goddard Space Flight Centerが望遠鏡を運用し、Space Telescope Science Instituteが観測計画の作成とデータ処理を担っています。

何を撮影してきたのか

惑星の天候、星の誕生と死、銀河までの距離、ブラックホール周辺を動く物質などを観測します。一般的なカメラの瞬間撮影とは異なり、長時間露光によってごく弱い光を少しずつ集めることもできます。

1995年には、わし星雲M16で新しい星を生みつつある冷たいガスと塵の柱、Pillars of Creation(創造の柱)を撮影しました。同じ年、一見何もない空の一点を約10日間見つめ続けたHubble Deep Fieldでは、何千もの遠方銀河が姿を現しました。

星形成領域M16を捉えた1995年の「創造の柱」初代画像
星形成領域M16を捉えた1995年の「創造の柱」初代画像
画像クレジット: NASA / Jeff Hester / Paul Scowen · Public domain · 画像の出典を見る ↗

Hubble画像の色は本物なのか

人の目で見た色に近い画像もあれば、異なる波長の画像へ色を割り当てて合成したものもあります。温度分布図と同じように、気体の種類、温度、構造を見分けやすくする科学的な表現であり、根拠なく着色しているわけではありません。

補正光学装置が望遠鏡を救った

打ち上げ後、主鏡の球面収差によって画像が予定よりぼやけることが判明しました。1993年、宇宙飛行士が補正光学装置COSTARと、補正機能を内蔵した新しい観測装置を取り付けました。2009年までに行われた5回のスペースシャトル整備ミッションは、故障した機器を直すだけでなく、新しい観測技術を追加し、Hubbleを何度も生まれ変わらせました。

参考資料